ことばとクレーム
E:お薦めはインドとラオスで、ここはNGというのはあった?
O:どこも基本的に悪くないけど、難しいな。
E:だいたい楽しいものだと思っていて、よほど自分がむちゃしなければ、NGな場所に行くことは、ほとんどない感じかな。
逆に、日本ではオッケーだけど、文化的な部分で現地ではNGなこと、何か気をつけていることがある?
O:宗教絡みとか文化絡みというのは、国ごとに違うから、なかなかおれも把握はしていないけども。
E:特に非常識なことをしなければ、大丈夫かな。
O:そう。トラブルという意味では、旅行中のトラブルはどんな国に行くときもあるじゃない。こういうトラブルに気をつけてくださいとか。あれのほとんどが、当たり前のことを気をつけていれば大丈夫。
それが、その日本では大丈夫というところにも絡んでくるけど、例えば自分の荷物から絶対目を離さないとかいうのは、どこの国でも共通なことなのよ。
例えばちょっとしたことだけど、さっきこれ、おかわりを買いに行ったときに、荷物を置きっぱなしで行ったじゃない。日本だとそれぐらい平気だけど、外国ではそういうのはやったらまずいじゃない。
それは、理屈で考えれば当たり前のことなんだけど、日本人はつい忘れがちみたいなところはあると思うんだよね。
そういう基本的なことを気をつけていれば、ほとんどのトラブルは防げると思うんだよね。
E:自分の身の回りを気をつけるということだね。
O:自分のことは自分でするということと、あとは普通に、冷静に考えて大丈夫かを判断すれば、ほとんどのトラブルは、おれは防げると思う。
E:ここもあまり、しいて挙げてなんていう感じじゃなくて、よく旅行会社とかが提唱していることさえ守っていれば良しみたいな。
O:あれも、なんでこんなのに引っ掛かったりと思うことに、だまされる人は多いから。だからすきがあるんだろうね。
よく言われる「日本人はすきだらけ」というのは、たぶんそのとおりなんだろうね。外国人は、見ていると、そっちのほうがよっぽどすきだらけと思えるような人は、けっこう西洋人とかでいるけど、外国人もそういうトラブルはあるとは思うけど、日本人ほどだまされていないと思うんだよね。
だいたいどこの国へ行ってもだましやすい人とかっていう話を聞くと、だいたい日本人と決まってくるから。
E:よっぽど平和にぼけているんだね。
O:あと、トラブルになったときに文句を言わない国民というのはあるよね。外国人は国にもよるけど、イギリス人とか、おれが聞いたのは、イギリス人とイスラエル人が一番苦情が多い、何かあったとき。すごい言うと聞いたよね。
おれも中国に行ったときに、半日もいかないけど、湖を船でまわるツアーがあって、そこに行ったとき、船がけっこう遅れたのよ。
そこで中国人や西洋人や日本人が20人ぐらい乗っていて、ほとんどの人が時間もあるし、おれも別に、そんなに急いでいるわけじゃないから、遅れても気にしなかったけど、1人だけ「金を返せ」とすごい文句を言っているのがいて、30分以上、中国人のガイドとケンカしているのがいたね。あれは激しかったね。
そのときに一緒にいた見知らぬ日本人と「あの人すごいですよね」と話をしていたら、あんなのまだ軽いほうだと、もっと文句言うやつもいると。すごいみたいだね。イスラエル人とイギリス人かな。そういう文句を言う人ほど、だまされにくいって言うよね。
E:ある意味、先制攻撃だよね。
O:料理が出てくるのが遅くて、夕日が見られなかったと言って金を払わなかったという話が、本当かどうかわからないけど、そういううわさをイスラエル人から聞いたことがある。あれは、日本人じゃ、まずありえないだろうという。そんな文句のつけかたは。
E:ないよね。日本人はなんだかんだ言って、お金は払うよね。
O:そうそう。結局だまされやすい人、イコール、クレームを言わない人なんだよね。
E:前の勤め先で、クレームばかり受けていたからね。
O:ああ、そうだね。変なクレームもあったじゃない。日本人でも言う人は言うけど、外国になると、おとなしくなるみたいだね。
E:言葉が通じなくなるのは、それだけでかいんだね。
O:なのかね。おれは逆に言っちゃうけど。日本語だと、いわゆるオブラートに包んだあいまいな言い方があって、日本人はそういうのが好きだよね。
おれは英語力がつたないから、結局言い方がストレートになっちゃうから、ストレートな苦情になってしまうけど、そういうつもりで言っているわけじゃないけど、だから逆に言っちゃうけど。
我慢できる範囲は我慢してしまうところがあるね、日本人だから。
E:かえって、つたない英語だとおくさないで、言ったほうが。
O:言ったほうがいいと思うよ。
E:海外旅行へ行くくらいだから、ちょっとした表現を覚えておくだけで、全然違うね。
たぶん、あえて勉強はしていないけど、その場その場でこういうことを言うと通じるんだみたいなパターンが、Oくんの中に、もうすでにあるわけだよね。
何か、言うときに、伝えるときにこういう言葉を使うことが多くなるというのは、旅行している間で身について。
O:似たような展開にはなるしね。本当に文句言うときは、日本語で言ったり。通じないのはわかっているけど、文句を言っている雰囲気が伝わるから。
E:意思表示を体全体でするというのは、大事なんだね。それはおれ、絶対できなそう。「いいよ、いいよ」と言ってかっこつけて金を払ってそうだな。
O:でも、そのときの気分とか体力もあるけどね。
E:その国がどうなんだというより、自分がどうなんだという。
O:結局ね、なんだかんだ言って、その国の習慣とかで、これはやってはいけない、あれはいけないというのを守るのは、当然必要なんだけど、ほかの国の旅行者と比べると、自分の心構え次第というところはあるよね。
トラブルに遭っている人を見ると、本当にかわいそうなトラブルに遭っている人もいるけど、半分自己責任というところはあるから、やっぱり。